NODA・MAP 「オイル」 (2003)

昨日は久々に家でビデオを見た。
野田秀樹の主催する劇団「NODA・MAP」の公演。

野田秀樹の脚本はやっぱり「速い」。
漫然と流していると置いて行かれてしまう。

日本書紀古事記に題材を借りつつ、終戦直後の島根県を舞台に物語は展開する。
脚本の速さと演出上の狙いなのだろうけれど、高いテンションを維持し続けて畳みこんでいく手法はやや冗長に感じられる場面もあった。近年の演劇における「本流」らしい舞台である。
でも、おそらくそれは、映像になったものを見ているからであり、実際の舞台においては、それによってもたらされるのが観客を引き込む緊張感であり、「場」を共有するための必要な手段であったりするのだと思う。

戦争というある意味では扱いやすいテーマを選んだはずが、皮肉にもこの舞台とイラク戦争がダブってしまったために、実際に見ていた観客たちは、その細部において今のボクが感じることとは別の事を感じていたんだろうなぁとぼんやりと思った。